よくトラブルに巻き込まれる、ひらめ(@hirame18jp)です。
通勤や通学で電車を利用しているとトラブルに遭遇することってありますよね。どんなにトラブルに巻き込まれないように避けていても巻き込まれてしまうことがあります。
電車に乗る以上、誰もが被害者になると同時に加害者や冤罪になる可能性がある。今回は無実の罪を被ることはありませんでしたが、もしかしたら・・・なんてことも頭をよぎりました。
真冬の電車は気持ちいい
寒い季節になると人肌が恋しくなりますよね。少なくとも僕は人肌が恋しくなります。特にきれいなお姉さんの温もりを存分に味わいたい・・・。
電車できれいなお姉さんの隣の席に座り、よい香りを嗅ぐだけで幸せな気分になってしまいます。
寒い時期は何かとお酒の機会が多くなるのが社会人であって、好きか嫌いかは別にして、付き合いでお酒を飲むのが大人としての義務です。
そして、暖かいお店から出て、冬の涼しさを楽しめるのも束の間、直ぐに寒さに耐えられず、電車の暖かさが恋しくなります。
寒くなると電車が暖かくて幸せ気分になりますよね。終電近くの空いた電車に酔っ払って乗ると暖かくて、睡魔に襲われてしまいます。なので、僕は飲んだ後、電車に乗るときはできるだけ立っているようにしています。酔って座って、予定のない一人旅・・・。
行き先も成り行き任せ、目的地は電車の終着駅。予定も目的も、さらには泊まるところもない旅。
『目的のない旅』なんかカッコよい響きだけど、全然カッコよくないですから・・・。
終電の終着駅は悲惨
最近は、路線の乗り入れで終着駅が遠く、訳のわからない場所まで連れて行かれてしまいます。
そして、終電の終着駅なんて悲惨です。人もまばらだし、アウェー感が半端ありません。気持ちよく寝ていて気がつくと「終点です。本日の電車は終わりましたよ」なんて駅員さんに起こされるとブルーになります。そして、寝ぼけたまま、駅の外に出されて「気をつけて〜」なんて見送られる訳です。
ちょっと待って!!僕の知っている駅前じゃない。
マジかっ!? 何にもねーじゃん。
タクシーもいねーじゃん?
いやいや、終電が終わった駅なんて、タクシーのゴールデンタイムじゃん?
頑張って稼ごうよっ!!
タクシーの運転手さんたちも家に帰りたいのは分かる。
でもさ、需要と供給ってあるじゃん?
ここに需要があるんですけど・・・。
どこか泊まるところまで連れてってくれませんか?
僕は、そんな経験が一度じゃなくて二度、三度。三度どころか「毎回じゃねっ? 今晩はどこにいるの?」なんて奥さんに言われるベテランです。
真冬の電車で起きたトラブル
ちょっと汚い話をしても良いですか? と言うか、するね。
寒い中、電車を待っていると電車の暖かさって天国ですよね。そして普段だったら座れないのに終電間近だと、乗っている人も少なく、座れるチャンスがある。座ったら寝てしまうと分かっているけど、酔っているし、自分を信じて座ってしまいます。
座って浅い眠りに着く。一駅だけのハッピータイム。一駅どころじゃないんだけど、なんか幸せタイム。
いつものように、電車で眠りに落ちていたのですが、そのときは異様な・・・危険を察知して目が覚めました。
(クサいっ)
僕も長年生きているので、それなりに経験を積んでいます。その臭いは電車の中で嗅ぐ臭いではありません。明らかに「うんちのにおい」です。僕の隣に座っているサラリーマンから臭ってきていました。絶対に気体が漏れた臭いではありません。
実のにおい
目覚めて周りを見回すとみんな、疑心暗鬼になっていました。だって、すごく臭かったんですよ。壮絶な異臭騒です。
僕は犯人の目星はついていました。隣のサラリーマンです。間違いありません。犯人は30代後半、小太りで黒いスーツにグレーのチェスターコートを着ている男です。
終電間際の空いた電車の中で、乗り合わせた乗客が半信半疑になって犯人を探し始めます。
初めは、あちこちに分散されていた目線が、だんだんこちらに集中してきました。僕の本能が危険を知らせます。
(このままでは、疑われる)
現に、ほろ酔いの女子二人は、僕を見てヒソヒソ話をしています。心臓がバクバクしはじめました。
「・・・僕じゃない」
その一言が言えません。
(ちょっと待て。確信を持って漏らしてないと言えるのか? 酔っているし、寝グソをしてない確信はあるのか?)
さりげなく、膝に乗せた鞄の下に手を伸ばし、股間付近を確認しました。湿っぽいが漏らしてはいません。
段々と酔いが冷めてきました。お尻には何も挟まっていない。大丈夫だ。僕じゃない。
自分が漏らしていないことを確認し、目線を上げるとかなり注目を浴びています。暗黙のルールを指摘してしまった会議のときと同じ空気が流れていました。
「お前、やっちまったなあ」と車両全員の目線が訴えている・・・。
(僕じゃない…。僕じゃない)
一生懸命、テレバシーや目線で無実を訴えました。
(僕じゃない。この人です)
軽く指をさし、ジェスチャーも加えてアピールしてみました。車内が不穏な空気に包まれます。
「パルプンテ」
疑われていることが恥ずかしく、俯き、呪文を呟く。何故か浮かんだ呪文はパルプンテ。もうどうにでもなれ。
下を向いている僕の目線にゴツい安全靴が入りました。そして、その男性は僕の前で立ち止まりました。
(えっ?!)
訳も分からず胸ぐらを掴まれ、立たされました。ビビって、ウンコ漏らしそうになった。
「兄ちゃん、くせーぞ」
(ごもっともです。クサいですね)
ここでやっと声が出ました。勇気をふり絞り、車両全体に響く声で
「いやっ俺じゃねーしっ」
言えた。言えたよ。ずっと言えなかったことが!! 発言するチャンスをくれてありがとう。おじさん、酔った表情もステキ!!
ひとことが言えてしまえば、いつものペース。おじ様に見えるようにお尻を突き出し、
「嗅いでみろよ」
なんて、偉そうにしました。
「クンクン」おじさんが僕のお尻を嗅ぐ。
っておじさん。嗅ぐかっ?! 普通。
潔白を証明するためと言え、恥ずかしかったです。電車の中で、酔っ払いにお尻を嗅がれている男。かなりシュール。
「間違いねえ。兄ちゃんじゃねえな」
疑いは晴れた。ここまで5分。
「犯人は、コイツだ」
もう、間違いありません。名探偵コナンよろしく、作業服姿の酔っ払いおじさんは、ニオイの元を特定しました。
(さあ、やっちまいなっ!)
僕はこうなると強いんです。作業服姿のイカついおじさんと一緒になり、犯人を追い詰めます。
(オイラは、はじめから気づいていましたぜっ。手柄は親分に譲りますんで、やっちまって下さい)
「おうおう。兄ちゃんっ! 黙ってねーて何か言えよ」
「・・・」
(死んでいるのか? 同じ死ぬシチュエーションでもウンコ漏らして死ぬのだけは嫌だぞっ)
犯人のサラリーマンは、絶対に今の状況を理解しているハズです。電車でウンコを漏らしてしまったことに気づかないはずはありません。
・・・ ・・・ ・・・。
狸寝入り・・・。
間違いありません。寝たふりをして逃げ切ろうと思っている・・・。
(コイツ、逃げ切れると思っているのか?)
電車と言う密室で逃げ切れる訳ないんだよ、ルパンくん。もう、お前は袋のネズミだ。観念しな!
なんて思っていながら、イカついおじさんの隣でウンコ男を見下ろしていたら、電車は停車駅に到着しました。僕もおじさんも寝ている犯人に対して隙があったんだと思います。
ウンコ垂れはドアが開くと同時に走って逃げやがった。逃がした獲物は大きい。
みんな、目が点です。何も言葉が出てきません。
僕もその駅で降車したのでその後のことは分からない。と言うか、その車両に乗っていた大半の人たちは他の車両に移っていました。
犯人に逃げられた
いつか、そのウンコ垂れを見つけたら、謝って欲しいと思っています。時間にすると数分だけど、あなたの代わりに僕はウンコ垂れだと思われていたのです。
スメハラだし、名誉毀損だし、色々と僕に迷惑を掛けました。
ひとこと謝罪して欲しい。誤ってもらえれば、水に流す。
ウンコだけに。
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