眼鏡女子というものは、男の理性をやすやすと踏みにじる。

どういうこと?
知的で、冷たく、触れることを許さない――そう見えるのに、ふとした瞬間に、守ってあげたくなるほど、脆い素顔を見せる・・・そのギャップに、抗える男性はいない。

いないはずである
レンズ越しの視線に射抜かれる

眼鏡の奥から見据えられる視線は、ただの「見る」ではない。
僕の浅はかな冗談を射抜き、黙らせ、同時に身体の中心をじんわりと熱くする。

やめろ、変態!!
例えば、飲み会で調子に乗ってくだらない話を連発して、場が冷えた瞬間・・・横に座っていた眼鏡女子が、スッとレンズ越しにこちらを見てくる。その視線の冷たさときたら、氷点下のビールより冷える。

たまらない・・・
「またやってるの?」という、口に出さずともわかる叱責。
あの瞬間の背筋が凍る感じ・・・なぜか僕は昂ぶってしまうのだ。
あの冷たい瞳は、まるで「あなたを正してあげる」と言っているようで、僕の中の従順さを引きずり出す。
支配と服従。眼鏡女子の視線には、それがある。
眼鏡は「頭が良さそうに見える装置」

実際に頭が良いかどうかは置いて、レンズの奥から真っ直ぐに見られると、こちらは勝手に「彼女は自分より3歩も5歩も先を考えている」と思ってしまう。

誰でも君よりは・・・
さらに困るのは、眼鏡女子が時折見せる「呆れた笑み」だ。
僕が何か下らないことを言ったときに、ほんのり口角を上げつつも、目は笑っていない。あの「軽蔑7割・慈愛3割」のバランス。

絶妙なバランス・・・
普通なら傷つくところなのに、なぜか逆に安心する。
「ああ、僕は、ちゃんと叱ってもらえるんだ」と・・・。
男というのは、そうやって無意識に母性を探しているんじゃないかとすら思う。
メガネを外した、その瞬間に

そして何より、眼鏡を外した瞬間。
知的なヴェールが剥がれ落ち、そこに現れるのは素顔の女子・・・。目を細めて瞬きをする姿は、獲物を見透かす女王から、一気に「俺が守らなきゃ」と思わせる無垢な娘の存在に変わる。

そんな目で見るなっ!
裸眼の彼女を見ていると、「俺だけが知ってしまった特別な顔」という優越感が全身を駆け抜ける。

二人だけの秘密・・・
結局、恋愛とは「独占欲」と「暴きたい衝動」の掛け算だ。
眼鏡女子は、それを完璧に体現している。
強い女と、甘える女が同居している

眼鏡女子の魅力は、一言でいえば「矛盾の共存」だ。
知的なのにドジ、冷たいのに甘える、完璧に見えて守りたくなる。そのギャップは、理屈ではなく本能に響く。

・・・
眼鏡女子には、冷酷に見えて母性的でもある。叱ると同時に「子供じみたあなたを正すのは私」と抱きしめるような強さがある。そして、夜の彼女は、裸眼で、眠たそうに目をこすりながら、「ねえ、横にいて」と小さく甘える。

その背徳感ときたら・・・
・・・その落差。昼と夜で真逆の顔を見せる眼鏡女子に、僕の理性は完膚なきまでに崩れ去る。
眼鏡女子は罪深い

眼鏡女子の魅力は、単なる「知的に見えるから」ではない。
冷たさと弱さ、叱る女と甘える女、昼と夜――相反するものをすべて併せ持ち、男の欲望を掻き立てる。
だから僕は、眼鏡女子を見るたびに思うのだ。
「お願いだから僕を叱ってください。そして、ときには、弱々しく甘えて欲しい・・・」

やっぱり、変態・・・
その両方を味わわせてくれる存在だからこそ、僕眼鏡女子に惚れ、堕ちていく。
――眼鏡女子は、男性の理性を奪う。
(了)
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