「昔はそこそこモテてたんだけどな……」
こういうことを言う人は、だいたい本気でそう思っている。なんで分かるかというと、僕がそうだからである。

本気なんだ・・・
ぶっちゃけた話、冗談半分のように話しているけど、結構、心の中では真剣そのものだったりする。

昔は・・・
でも、その……なんというか、五〇歳になって、急にというのが、どうにも怪しい。本当に急なのだろうか……。ある日突然、モテなくなるスイッチでも押されたのだろうか。
否。たぶん違う。たいていの場合、ゆっくりと、気づかないうちにそうなっている。

モテていたことあるんだ?
その変化に、自分だけが気づいていない。そういう話である。
1.清潔感が「時間から取り残されている」
そもそもおじさんがモテなくなる最大の問題は、清潔感の欠如である。

うむ。分かる・・・
若い頃は、多少だらしなくても、それなりに見えた。無造作という言葉で、なんとなく許されていた。それは、『若さ』というモテに必要な最大の武器を持っていたから、許されていただけのだ。
そして、年を取ると、それはただの『手入れ不足』になる。

ある意味、マナー
髪は昔のまま、眉もそのまま、服はなんとなく選んでいても、それなりに認められていた。でも、おじさんになると、話は別である。何もしていなければ、ただのだらしないおじさんだと認識される。

そうね・・・
そもそも、本人は変わっていないつもりでも、周りから見ると、ちゃんと変わっている。
ここで一度、鏡をじっと見たことはあるだろうか。「まあこんなもんか」で済ませていないだろうか。あるよね。あるでしょ。少なくとも僕はある。
その「こんなもん」が、じわじわ効いてくる。
2.思い出ばかりが現在を侵食する
次に、昔の話が長い。ぶっちゃけ、現在進行形の苦労は、ツラいだけだから、あまり話したくないけど、昔の苦労は、本人の中で、美化され、楽しい思い出になっている。

懐古的な・・・
そして、若い頃の武勇伝というのは、語っている本人は気持ちがいい。記憶の中では、自分はいつだって少し輝いているからだ。
ただ、聞いている側は、そこは関係ない。

うむ。関係ない
昔モテた話も、昔稼いだ話も、今の自分とはあまり関係がない。関係ないことはないんだろうけど、誰も気にしていないし、そこまで知りたいとも思っていない。
結局、人は誰でも、今を見ている。余程の変わり者以外、他人の過去に興味を持つなんてことはない。
3.人を見る目が、少し雑になっていないか
それから、他人の見方が雑になる。雑というと語弊があるんだけど、なんと言うか、好き嫌いで判断して、困ったことにそれが態度に出てしまう。
例えば、見目麗しい若い女性には、やたら丁寧でも、自分の好みではない女性を少し、ぞんざいに扱ってしまう。本人は無意識でも、これは周りからは結構、見えている。

・・・
さて、僕はどうだろうか。誰に対しても同じように接していると言い切れるだろうか……。出来るだけ、誰とでも仲良くしようとしているけど、やっぱり好き嫌いが結構、態度に出ていると思う。

修行が足りない・・・
人は、扱われ方に敏感だ。言葉よりも、態度のほうがよく伝わる。
4.時代に置いていかれた“正しさ”
価値観もそうだ。
昔は普通だったことが、今ではあり得ないなんてことは、いくらでもある。
「男はこうあるべき」とか「男らしさ」とか、そういった価値観って時代と共に変わる。もちろん、そういう考えを持つこと自体は悪くない。
ただ、それをそのまま他人に向けてしまうと、少しだけ居心地が悪くなる。
自分の中で大事にするのと、人に押しつけるのは、別の話だ。そこを分けて考えられるかどうか。

気をつけてはいる
意外とここが分かれ道になる。
5.会話が「独り舞台」になっている
会話の仕方も、変わってくる。
気がつくと、自分の話ばかりしているなんてことがある。特にお酒なんて飲んでいると、相手のことを忘れて、自分の得意な話題に話を持って行こうとする。

うむ。ウザい・・・
相手が何を話したかより、自分が何を話したかのほうが印象に残っている。
そんなことないだろうか。僕は良くある。

やってしまいがち・・・
会話は、本来は行ったり来たりするものだ。どちらか一方に偏ると、だんだん疲れてくる。確かに、話を聞くほうに回るのは、少し退屈に感じるかもしれない。
でも、そのほうが案外うまくいく。
6.余裕という名の、焦りのにじみ
それから、「余裕」の話。
五〇代は、落ち着いていて当然だと思われている。ところが実際は、そうでもない。僕もびっくりしているんだけど、大枠では若い時と何も変わっていない。落ち着いているように見えるのは、瞬発力がなくなっただけだ。

チヤホヤされたい・・・
まだ若く見られたい。
まだモテたい。
まだ評価されたい。
そういう気持ちは、わりとしぶとく残る。

まだ?
そして、それが少しでも表に出ると、途端に“余裕のなさ”になる。
余裕というのは、作ろうとして作れるものではない。気がついたら、あるかないか、それだけだ。
7.お金の使い方に“温度”がない
お金の使い方も、地味に効く。
高い店に連れていけば良いわけでもないし、かといってケチすぎても困る。
結局は、一緒にいて気持ちがいいかどうかだと思う。
さて、自分の使い方はどうだろうか。誰かと過ごす時間を、ちゃんと楽しめているだろうか。

不安・・・
お金は手段であって、主役ではない。
ここを間違えると、なんとなくズレてくる。
8.恋愛が、時間から取り残されている
最後に、恋愛そのもののやり方。若い頃の延長で考えていないだろうか。

いくつになっても・・・
軽いノリ、勢い、見た目……。
それでなんとかなっていた時期もあった。でも今は違う。
歳を重ねた男性が、女性に求められているのは、安心できること。一緒にいて落ち着くこと……。つまり、深さのほうだ。
そこに気づけるかどうかで、印象はずいぶん変わる。
まとめ
おじさんになって、モテなくなるのは、急ではない。少しずつ積み重なって、あるとき「あれ? なんか違う」と自分で気づく。なんというか、周りからのイメージと自分の中の自分とのギャップは徐々に開いていき、ふと気づくときが来る。
そうすると、急に「モテなくなった」と感じるのだ。

そうなの?
でも、逆に言えば、少し見直せば、モテるおじさんになれるかも知れない。
鏡を見ること。
今の話をすること。
相手をきちんと扱うこと。
難しいことではない。ただ、やるかどうかだけだ。

頑張る・・・
ここまで書いてきて、急に怖くなってきた。まだまだ女子からチヤホヤされたいと思っている自分が怖い。
まあ、僕も人のことは言えない。だからこそ、こうして書いているのである。


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