左利きに芸術家が多いのは、どうしてなんだろう・・・という疑問を持ったことはありませんか?
僕は生まれてから半世紀ほど、左利きをしています。
よく「左利きって、芸術家みたいで素敵だよね」――そう言われると、なんだかちょっと嬉しくなっちゃうんです。
左利きと芸術って、なんだか素敵な組み合わせに思えませんか?
でも、本当に左利きは生まれつき芸術家肌なのでしょうか?
僕は、才能というより、子どもの頃からの環境が大きく影響しているんじゃないかなって思うんです。
左利き目線で、左利きに芸術家が多いと言われている原因を探っていきます。
右利き社会で育つ左利き
多くの左利きさんは、小さい頃から「右利き社会」で生きることを経験します。ハサミや習字道具、楽器など、身の回りのものはほとんどが右利き用で、左利きにとっては少し使いにくかったりするんです。
もし良かったら、左利き用のハサミを右手で使ってみてください。きっと、思うように切れなくて、ちょっとイライラしちゃうはず・・・。
左利きは、この「不便さ」をいつも感じながら生活しているんです。不器用なわけじゃなくて、慣れない道具を上手に使うために、人よりもたくさん努力しているだけなんです。
特に、文字を書くのは大きなハンデになります。日本語の文字は右利きさんが書きやすいようにできているから、左利きさんは文字の形が崩れたり、手が汚れたりすることが多い。
だから、「勉強が苦手」「文字を書くのが嫌い」って思っちゃう子も少なくありません。
芸術とスポーツが「得意」になる理由
じゃあ、そんな左利きが、どうして芸術やスポーツで才能を開花させることが多いんでしょう?
それは、これらの分野が、他の教科に比べて「左右の差があまりない」からです。
絵を描いたり、粘土をこねたり、体を動かしたりする活動は、文字を書くのと違って、利き手に左右されにくい。
だから、左利きも、文字から解放される美術や体育の授業では、他の子と同じように楽しめます。
そして、その結果、ちょっとした成功体験や、先生や友だちからの「すごいね!」っていう褒め言葉をもらう機会が増えるんです。
勉強であまり褒められなかった子にとって、この言葉は、とっても大きな喜びや自信になります。
褒められた経験が才能を育てる
人間って、誰かに認められたり、褒められたりすることで、その分野への興味や自信がどんどん深まっていくもの。
美術や体育で褒められた左利きの子は「芸術やスポーツが得意なのかも」って勘違いしちゃいます。
そして、褒められることが、頑張るためのモチベーションになって、自ら進んで努力するようになるんです。
だから、左利きに芸術家が多いのは、生まれつきの才能というよりも、「不便な環境を努力で乗り越えてきた経験」と、「ハンデのない分野で得た成功体験や褒め言葉」が深く関係しているんじゃないかなって思うんです。
やっぱり、「好きこそ物の上手なれ」ですよね。
左利きは、芸術やスポーツを通じて褒められて、それがきっかけでその分野を好きになり、夢中になるからこそ才能が花開いていくのかもしれませんね。
(了)
コメント