なぜか好かれる人の共通点は、程よいポンコツ具合である。隙がある人間が好かれる

なんというか、多くの人が目指すのは、完全無欠（かんぜんむけつ）で十全十美（じゅうぜんじゅうび）な何でもこなす完璧な人間･･･誰からもツッコまれることなく、他人に尊敬される人間だと思うんです。

かくいう僕も例に漏れず、完全無欠な神のような人間･･･神様、仏様、ひらめ様と多くの人に崇拝（すうはい）されたいという欲望を持ち、そんな人間になれることを夢見て、日々精進しています。

とは言っても、元々、他人より優れた点もなく、どちらかというと性格的に難ありの僕は、他人から尊敬されることなどなく、実の息子たちにも卑下（ひげ）にされるような人間です。なので、人間として非の打ち所がない素晴らしい性格の人を見ると軽く尊敬なんかをしてしまいます。

ですが、完璧な人間が他人から好かれるかというと疑問です。誰にでも優しく、他人の気持ちが分かり、慈悲深（じひぶか）い性格で、人生をラクにサバイブできる能力を持ち、富も名声を手に入れた完璧な人間が好かれるのでしょうか。

いつも周りに人がいるような人気者というか、人に好かれる人間が『完璧な人間』かというとそんなことがなく、どちらかというとツッコまれるボケタイプの人間のような気がしてなりません。他人から好かれたいと思うのであれば、ツッコミやすい親しみと隙を作る必要があるのではないでしょうか。

どうして人は好かれたいのか

あなたの周りにも、理由は分からないけど、多くの人に好かれている人間がいますよね。容姿端麗（ようしたんれい）で、仕事をバリバリとこなし、他人にも優しく接している尊敬できる人間であれば、嫉妬（しっと）なんてしないのですが、どう考えてもスペックが低いのに人が集まる人間です。

容姿もパッとしないし、真面目に仕事もしていないし、好き勝手に生きているのに、男女どちらからも、好かれる人間というのがいます。そんな人間の周りに人が集まるのを目（ま）の当たりにすると、なぜか、無性に腹が立ってしまうんですよね。

わかっています。嫉妬です。

わかってはいるんですが、正直、ムカつきますよね。あまり大きな声では言えませんが、どう考えても、自分より劣（おと）っていると感じるのに、チヤホヤされて、いつも笑顔でいる人間を見ると尊敬などできるはずもなく、無性にムカつく･･･。自分よりスペックが高く、尊敬できる人間であれば、問題ないのですが、尊敬できるような人間ではないのに、やけに他人から好かれているのです。

そんな人間は、大して役に立たないくせに、他人から好かれ、実力以上に評価され、幸せそうに生きていると感じないですか？

イージーモードの人生

とは言っても、そんな人間を妬（ねた）んでも仕方がありません。好かれるために何か学びがあるはずです。そして、その極意を学べば、こんな僕でも、他人から好かれるように慣れるはずです。ぶっちゃけた話、完全無欠の人間になるより簡単そうです。僕よりスペックが低い人間でも出来ているのです。

ここだけの話、評価というのは他人が下すものであって、どれだけ自分で凄いと思っていても、誰からも認めて貰えなければ、自慰行為（じいこうい）と一緒で、自己満足を楽しんでいるだけです。つまり、他人から好かれ、必要だと思われることでしか勝てないのです。つまり、人から好かれるというスキルは、世知辛い世の中を生きる上で『最強の武器』になりうる。他人から好かれると人生はイージーモードになるのです。反対に、他人から嫌われたら、この世はハードゲームになってしまいます。

他人から好かれると、孤独を味わうことはないし、困ったときは助けてもらえるし、大した成果を出さなくても多くの人に賞賛（しょうさん）され、実力以上の評価を貰えるのです。孤独に苛（さいな）まれ薄暗い部屋の片隅で震えることもなく、いつでも温かく、優しい目を向けられます。

他人から好かれるということは、そういうことです。

みんなから好かれていると、色々と教えてもらえるので学ぶことも多く、ゲスな話ですが、大金を稼ぐことも可能です。他人から好かれる･･･それは、人生をイージーモードにする最大の秘訣（ひけつ）なのではないでしょうか。

完璧だから人から好かれるのか？

経済的にも精神的にも自立しており、他人に迷惑をかけるどころか、他人の役に立つ完全無欠の完璧な人間がいたとします。

例えば、僕が、仕事を頼めば、文句も言わず完璧に仕上げてくれるし、困った時に適切なアドバイスをくれるし、話も上手で笑いも取れる。スポーツ万能で、頭もキレる、ドラえもんのキャラクターである出来杉くんのような完全無欠の男だとします。バリバリ仕事をこなし、会社からも評価され、たくさん給料をもらい、プライベートも充実している。

そんな完璧な人間に愛を感じるでしょうか。

答えは否。尊敬はするし、いい人だとは思うけど、完璧な人間は他人から愛されることはありません。嫌われることはありませんが、ずっと一緒にいたいと思うことはありません。少なくとも僕は、息が詰まってしまいそうです。

そもそも、人気アニメや漫画の愛されるキャラというのは、完全な人間というよりも、どちらかというと「隙がある」キャラです。あなたが好きなアニメのキャラは、どうですか？ どこか人間として抜けているというか、ツッコミどころがあるキャラであるのではないでしょうか。

ポンコツを認めると愛される

こんなことをいったら、元も子もないんだけど、誰でも他人に迷惑をかけない完璧な人間を目指すことは間違いなのではないでしょうか。方向性というか、無駄な努力なんじゃないかと･･･決して、無駄じゃないし、そうやって、いい人間になるために努力するのは良いことだと思う。ただ、なんとなくだけど、ツッコミどころ満載のポンコツな人間であればあるほど、みんなに愛されるのではないかと思うのです。

いくら本人が「頼って欲しい」と思っても、その人間が完璧であればあるほど、頼りにくいんですよね。というのも、完璧な人間は他人に頼ることがない。すると、なんか頼りっぱなしになり申し訳なくなって頼れなくなってしまう。

それよりも、お互いにできないことを補完し合うような人間の方が、一緒にいて気楽･･･そもそも、社会的な立場とか年齢に関係なく、隙があり、ツッコミどころ満載な人間の方が一緒にいて楽しいと思う。

クソみたいなプライドを守ろうとして、知ったかぶりをするから、嫌われるんです。ポンコツであることを認め、他人に頼ることができる人間の方が好かれるのです。少なくとも、僕は人間味を感じる不完全な人の方が好きです。

お互いに得意なことで補完できる関係の人間･･･決して、仲間として、完璧な人間を求めてはいないような気がします。

なんだろう･･･他人に嫌われる人間というのは、浅はかな経験と知識しかないくせに、上に立ちたいと思っている･･･端的に言うと、アホなくせにプライドだけが高い人間なんですよ。

隙のある人間が好かれる

僕の場合、知らんことは知らんから、からかわれたり、教えてもらったりしています。さらに、他人に頼ることは、恥ずかしいとは思いません。迷惑をかけていると思ってはいるけど、できないことを頑張って、時間も労力も使ったのに、しょぼい成果しかあげられないよりは、全然良い。自分で言うのもおかしな話ですが、かなりポンコツです。

僕は、人間として欠陥（けっかん）だらけです。そして、それを自覚しているから、多くの人に助けてもらえるような気がしています。というか、支えてもらいながらじゃないと生きていけないのです。

もちろん、若い頃は「他人より優位に立ちたい」なんて今考えれば、小っ恥ずかしい野望を胸に抱き、がむしゃらにスキルを磨き、何でも他人より上手にできるようになろうと努力をしてきました。

ただ、あるときに気づいたんです。全てできるようになる必要はない。得意なことがあれば、生きていける。出来ないこと、苦手なことは他人の手を借りれば良いんです。頼ってばかりじゃいけないけど、頼り頼られ、人間として支え合うというか、お互いに迷惑をかけ合うことが人間らしさなんではないかと。

僕はポンコツなんですよ。現代人として足りないものだらけです。知らないことばかりだし、建前とか使えないし、好き嫌いも激しいし、口も悪いし、性格も捻（ひね）くれているし、左利きだし、社会の常識というものがわからない。

まとめ：好かれる人の性格

人間誰しも、多かれ少なかれ「誰かにツッコミたい」という欲望を持っていて、ツッコミどころ満載の人間の周りには人が集まってくるんですよ。きっと･･･。

理想的な人間になる努力は素晴らしいことだと思うけど、そう見せようと躍起（やっき）になり、知ったかぶりをしたり、虚勢を張ったりするのは、本当にカッコ悪し、嫌われる原因になってしまいます。

人に好かれる人間が『完璧な人間』かというとそんなことがなく、どちらかというとツッコまれるボケタイプの人間のような気がしてなりません。他人から好かれたいと思うのであれば、ツッコミやすい親しみと隙を作る必要があるのではないでしょうか。