なんとなく、僕の中で令和と言うのは『余生』であり、全力で何かに取り組むという気持ちにはなれません。
どちらかというと荒ぶる世界とは一線をおき、自分の欲望のままに好き勝手に生きる好々爺として過ごしたいと思っているのです。
迷惑なおじいさん・・・
待て待て。老害ではない
「平成の時代が良かった」という懐古的な気持ちはなく、どちらかというと、僕にとって平成は、多くの制約の中で生き残るために、もがいていた30年だった気がします。
平成と言う激動の時代を必死にサバイブしてきた僕としては、理不尽や不運、クソみたいな人間関係、ストレスから解放されたいと思っています。
まだまだ、無理そうだよ・・・
そうかなぁ・・・
大人に憧れていた『昭和』
これは確実に僕の偏見であって、世間が抱くイメージと違うと思うので、斜め読みをしていただき、笑い飛ばして欲しいですか。
昭和50年生まれの僕にとって、昭和は欲望にまみれた汚い大人たちが、少しでも良い生活、良い社会を手に入れるために頑張っていたような気がします。
そんなことないでしょ?
なんとなくだよ。なんとなく・・・
それそこ、進んでブラックな職場で働いていたし、働くことが正義。24時間戦えますか?なんてゲロゲロな時代だった。でも、僕はそんな先人たちを見て「なんか楽しそうだな」と感じていた。
誰も欲望を隠すことなく、大人たちはノーパン喫茶、ノーパンしゃぶしゃぶで英気を養っていたし、トルコ風呂改、ソープランドで汗を流していた時代。
テレビでも、おっぱいポロリ必須の水泳大会、綺麗なお姉さんたちが、あられもない姿をテレビで垂れ流しにしていた。
夕食どきのお茶の間に喘ぎ声が流れる気まずい空気感を未だに思い出す・・・。
あったね。あの気まずい間・・・
良いか悪いか、好きか嫌いか、合理性や効率なんて誰も考えず、欲望のままに生活をしていた。全然、スマートじゃないし、貧乏な時代だったけど、猫も杓子も一生懸命に生きていたのです。
そして、欲望丸出しで、決してカッコ良くはなかったけど、楽しそうにしている大人たちを見て、幼心に「はやく大人になりてぇ〜」と思っていた。
激動の平成初期
僕の記憶が正しいと消費税が導入されたときは、まだまだ景気が良かったと思います。
未だに日本経済を牛耳っている『失われた30年』の始まりは突如として現れた。
当時、僕は大学生で、人生の夏休みを謳歌しようと目論んでいた矢先、急に周りの景色が灰色になった。
ジュリアナ東京からお立ち台が消え、ワンレンボディコン、生まれたてのようなカッコをして踊る憧れていたお姉さんたちは消えてなくなり、代わりにやってきたのは、夢も希望も打ち砕く、平成不況の波でした。
懐かしいね。ジュリアナ東京〜♪
憧れていたキラキラした世界とは程遠く、薄暗い路地裏で同じ色の服を着た仲間と、たむろして「なんか、楽しいことねぇ〜かな?」なんて言いながら、タバコを咥えてダベっるのが精一杯。僕が夢見ていた東京での煌びやかな生活は、東京から消え去っていたのです。
先の見えない将来への不安を忘れるために、手当たり次第に女性に声をかけ、ひとときの安らぎを求めていた。
結構、楽しんでたよね・・・
確かに楽しかったね・・・
世界の終末は来なかった
当時の僕の心の支えは、ロックとノストラダムスの大予言。
1999年7の月、空から恐怖の大王が降りてくる。アンゴルモアの大王を蘇らせるために。その前後、マルス(軍神)が平和の名のもとに統治する
1999年7月に世界は滅亡し、人類は滅亡するんだと思い込んでいた。
割とマジで信じてた・・・
運よく、恐怖の大王も空から降りて来なかったし、アンゴルモアの大王が蘇ったというニュースも聞かなかった。マルスだか、アヌスだか知らないけど、そんなおじさんもやって来なかった。
僕らの元にやってきたのは、就職氷河期と呼ばれる地獄だった。
僕たち若者を襲った就職氷河期は、有効求人倍率が0.5という脅威の数字を叩き出し、2人の学生が1つの席を奪い合うバトル・ロワイヤル。
自分のポジションを確保するため、生きるか死ぬか、イチかバチかの大勝負を余儀なくされた。
運だけは良さそうだよね
うむ。否定はできない・・・
ボクシングや柔道のように体重別のクラス分けもなく、国立大学、偏差値の高い私立大学とFラン大学の学生が同じ土俵で、ガチンコ勝負で約半数までふるいにかけられるサバイブ・・・。
就職はゴールではなかった
運よく就職をしたのに、今度は給料が上がらないという仕打ち。
世間が不景気だからとか、周りも上がらないからなんて訳の分からない屁理屈を並べられ、ブラック企業で働き、何人もの同志が屍となり、倒れた戦友を弔うこともなく、突き進み続けることが求められていた。
今とは違い、会社が強かった時代
「いい会社に入れば、一生安泰」なんて甘い言葉に釣られて就職を勝ち取ったのに、持ち前の好奇心と明るさが仇となり、先輩方に可愛がられ担がれ、出世レースという不毛な戦いに参戦させられた。
そもそも、出世とか、権力とか、そんなものには全然興味なく、言われたまま、むしゃらに仕事をしていた。
いつの間にか、嫉妬心を燃やされ、身も心もズタボロになりながらも、必死に振りかかる火の粉を払って働いてきた。
態度が悪いよね。いつも・・・
地獄のような残業も徹夜も厭わず、会社のため、社会のため、そして家族のために必死に働いてきた平成。命を削って手に入れたのは、高い給料ではなく、不運と理不尽への強い耐性。
誰もが嫌がる仕事、他人の尻拭い、突発的なトラブル・・・知らず知らずのうちに、本人の意思に反して、変態的に強靭な戦士として鍛えられていたのでした。
巻き込まれ事故のような嫉妬
幾多の理不尽や不運に襲われた僕は、自分でいうのも何だけど、それなりに『仕事ができる人間』として成長をしました。
平成不況をサバイブするために手に入れた「効率化するチカラ」「合理性を判断する能力」で並大抵のことは、他人より早く正確に行えるようになった。ですが、元々、真摯に仕事に向き合うタイプではなく、態度も、服装も、話し方も、何もかもが社会人として失格の僕は、嫉妬の対象になるようです。
それは君が悪い・・・
必死になっている姿は見せたくないんだよ
仕事をしている風ではないのに、尋常じゃない仕事量をこなしているし、誰とでも仲良くしているし、持ち前の愛嬌と好奇心で他部署の人たちの仕事もあっという間に覚える。さらに、これまで培った知識と経験から、何でもそつなくこなす便利屋として認識をされてしまっています。
そして、元来、周りの意見の違う人間と同調して生きることを苦手とし、自由気まま、好き勝手に行動するのが好きで、いつかは好きな人間と好きなことを好きなだけ、好きなときにする生活に憧れを抱いているのです。
サラリーマン人生の終活
結局、サラリーマンとして会社や他人のために働くことが苦手なんです。だけど、求められるポジションで、求められることだけをして、お給料をもらうというシステムに慣れ親しみ、ストレスを抱えながらも、それなりに楽しんできました。
サラリーマンはラクだよ
だけど、そろそろ魑魅魍魎が蠢き、殺伐とした戦場から引退をしようかと考えています。
手柄を奪い取る輩、責任を押し付けてくるクソ人間、中途半端に口を出し場を乱す上司・・・そんな、しがらみがなく、大好きな仲間と好きなことをして稼ぐ。そんな夢の実現に向けて、始動します。
会社というクソ組織で、同じ価値観で同じ世界を見るには、歳を取り過ぎた。置き土産ではないけど、誰が読んでも僕の代わりができる完璧な手順書を残し、去る準備を始めます。
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