さらば愛しきステップワゴン、まさかの高値で売却できた顛末

クルマの話

7年落ち、走行距離4万キロ超。ごく普通のファミリーカーであるステップワゴンを、僕は手放すことにした。正直なところ、乗り潰すつもりだった。

ひらめ
ひらめ

乗りやすい車だった・・・

愛着もひとしおだ。家族の思い出が詰まった最高の相棒だった。

しかし、ひょんなことから僕は、そのステップワゴンを予想をはるかに上回る高値で売却することになる。

まお
まお

そうなの?!

この決断の裏には、僕のライフスタイルの変化と、市場の意外なカラクリがあった。そして、その結果、我が家はちょっと変態的なラインナップで新生活をスタートさせることになった。

ステップワゴンとの濃密な7年間

今から7年前、我が家にやってきたのは8人乗りのステップワゴン・スパーダだった。

結婚し、子どもが生まれ、家族が増えていく中で、我が家にとってミニバンはマストアイテムだった。僕は「これが最後のガソリン車になるかもしれない」と、覚悟を決めて購入した。

このステップワゴンは、本当に大活躍してくれた。家族4人で旅行や帰省に出かけ、子どもたちのサッカーの送り迎えや遠征にも付き合ってくれた。

近所の友だちを乗せて移動したり、サッカーの備品を運んだり、東京に住む車を持たない家族を乗せたりと、八面六臂はちめんろっぴの働きぶりだった。

しかし、時代は変化した。コロナ禍に突入し、大勢での移動が制限されるようになると、ステップワゴンの出番はめっきり減った。

僕一人で出かけることが多くなり、気づけば僕は、もう一台の車を手に入れていた。それが、30年以上前に製造された、2シーターのクラシックカー、マツダ・ロードスター(NA6CE)だ。

ロードスターは僕にとって、もう一度乗りたいと思っていた車だった。しかし、4人家族の我が家で、2人乗りしかできない車を持つというのは、どう考えても非効率極まりない。それでも、僕はロードスターを手に入れてしまった。

こうして、我が家には8人乗りのステップワゴンと、2人乗りのロードスターという、異色の2台体制が誕生した。家族からは「あんた、バカなの?」と言われても仕方ない。いや、むしろ「変態」と言われるのがオチだろう。

そんな日々が2年ほど続いた。そして、コロナ禍が落ち着き、また家族で遠出ができるようになったこのタイミングで、僕はまさかの決断を下した。

ステップワゴンを売却する、と。

家族の反応はもっともだ。僕だって、頭では分かっている。4人家族でロードスターは、どう考えても席数が足りていない。不便極まりない。それでも、僕はロードスターを選んだ。

そして、ここにきて我が家は、ロードスター(NA6CE)と、バイクのクロスカブ110という、2台体制になることになった。どちらも、運転手である僕しか運転できない。大荷物は積めない。家族を乗せても1人しか運べない。

もう、変態とかいうレベルじゃない。もはや狂人だ。

僕はなぜ、ステップワゴンを売ってしまったのだろうか?この決断には、いくつかの理由があった。

ステップワゴンを手放した三つの理由

なぜ、僕は7年間連れ添ったステップワゴンを手放すことにしたのか。その理由は、大きく分けて三つある。

1. 車検が迫っていたこと

車を手放すタイミングとして、多くの人が選択するのは、車検が切れる直前だ。今回、僕のステップワゴンも5月に車検が迫っていた。車検を通すか、それとも乗り換えるか。誰もが一度は悩むことだろう。7年落ち、走行距離4万キロちょっとなら、あと2年は十分に乗り続けられる。そう考えるのが普通だ。

しかし、今回の車検は、いつもと少し違った。車検を通すには、どうしても直さなければならない場所があったのだ。

2. 予想外の出費、フロントガラスの飛び石

実は年末に、愛車のフロントガラスに飛び石を受けてしまった。僕のステップワゴンは、ホンダセンシング用のカメラがフロントガラスについている。このカメラに影響するような飛び石だと、修理費が高くつく。

修理費は、修理で2万円、全取り換えだと10万円を超える。車検代と合わせると、かなりの出費になる。

そこで僕は、車を売却することを決意した。車検と修理代を払うより、いっそ手放してしまおう、と。3月末までに売却すれば、翌年度の自動車税を払う必要もない。金額は数万円とはいえ、少しでも安く済ませたい。

しかし、この飛び石のおかげで、僕は一つ気づいたことがあった。

車を売るときは、直すより、そのままの方がいい

車を高く売却するには、綺麗な状態の方が良い。だが、わざわざ修理をする必要はない。なぜなら、修理にかかる費用よりも、査定で引かれる金額の方が小さいからだ。

僕のステップワゴンは、フロントガラスの全取り換えに10万円以上かかると言われたが、査定額で引かれたのは、たったの2万円程度だった。自動車買取業者は、自社で安く修理ができたり、業者間のネットワークで安く済ませられる。

3. 今なら中古車が高く売れること

そして、これが最大の理由だった。2023年の今、中古車はとてつもなく高く売れる

原因は、世界的な半導体不足だ。新車を注文しても、納車まで何ヶ月も待たされる。そこで、多くの人が中古車市場に流れてきた。需要と供給のバランスが崩れ、中古車の価格が高騰しているのだ。

僕のステップワゴンも、その恩恵を授かった。7年落ち、走行距離4万キロちょっとなのに、僕が予想していた金額をはるかに上回る査定額がついたのだ。

「3桁に乗ればいいかな・・・」と、正直半ば諦めていた。しかし、買取業者の方と話をしているうちに、驚くべき事実を知った。

「程度の良い車は、喉から手が出るほど欲しいんです」

車検が切れる寸前、飛び石の修理も必要な車なのに、それでも彼らは高く買い取ってくれた。新車が手に入らない今、程度の良い中古車は、すぐに売れる。だから、多少高く買い取っても、すぐに元が取れるのだ。

結果、僕のステップワゴンは、7年前に購入した時の価格の3分の1以上の値段で売却することができた。僕の決断は、偶然にも、絶好のタイミングだったのだ。

ライフスタイルの変化と車の買い替え

僕は今回、車を売却するにあたり、改めて「車の買い替え」について考えた。多くの人は、車検のタイミングで乗り換えを検討する。それもまた、一つの選択肢だ。

しかし、僕はこう思う。

車の買い替えのベストタイミングは、ライフスタイルが変わるとき

例えば、結婚して子どもが生まれたり、子どもが大きくなって手狭になったり。そういった人生の大きな節目で、車を選ぶべきだ。

僕は今回、コロナ禍でライフスタイルが変わり、ステップワゴンに乗る機会が減った。そして、今回の高額売却というチャンスが重なった。もし、コロナ禍がなければ、僕は今でもステップワゴンに乗っていたかもしれない。そして、飛び石の修理と車検代を払って、さらに乗り続けていたはずだ。

7年間、僕の家族を支えてくれたステップワゴン。本当にありがとう。君との思い出は、僕の心の中にずっと残っている。

そして、これから僕と家族の相棒になるのは、ロードスターとクロスカブだ。

4人家族で、2人乗りのロードスター。

僕の変態ぶりは、もはやとどまるところを知らない。でも、後悔はない。だって、僕にはロードスターが必要なんだ。

人生は一度きりだ。自分の好きに生きようじゃないか。

そう、自分に言い聞かせながら、僕は今日もロードスターのハンドルを握る。助手席に愛する家族を乗せて。ただ、乗れるのは一人だけだけどね。

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