僕の相棒は、ユーノス・ロードスター(NAロードスター)。30年以上前の中古車です。

必要なの?
「いつかまた乗りたい」
そう思い続けていたクルマを、40代になってようやく手に入れました。
結論から言うと……納車したその日、「やっちゃったかもしれない」と一瞬思いました。でも直ぐに「ああ、これでよかった」とも感じました。
この記事では、NAロードスターを実際に購入し、納車された日のリアルな体験と、そのとき感じた不安や本音をお伝えします。
なぜ40代でNAロードスターだったのか

購入したのは1991年式、走行距離19万km。総額120万円。
数字だけ見れば、冷静な判断とは言いがたい。でも僕にとっては、ただの中古車ではありません。20代の頃、一度手放したクルマ……生活環境の変化で、手放すことになった悲しい思い出と、それまでの楽しさが、ずっと頭のどこかに残っていました。

もう一度・・・
あの頃のNAロードスターは『安くて、遊べるクルマ』だったのに、気づけば、希少価値で値段が上がっているクルマになっていました。
僕が2000年に買った時は、40万円(乗り出し55万円だったと思う……)で買えたのに、いまではその3倍近い価格……。

そんなに?!
今回、僕は購入まで1年くらい悩んでいたのですが、徐々に『安くて程度の良い個体』は減り、1年間で5〜10%くらいでロードスターの値段が上がっていました。

はやく買えば良かった・・・
なので「また乗るなら、今しかない」と覚悟を決めました。
中古価格と、決断のポイント

NAロードスターの中古価格はかなり幅があります。状態の悪いものなら50万円前後、きちんと整備された個体になると150万〜300万円を超えています。

どんどん上がってる・・・
ちなみに、中古車を乗り継いできた僕は、中古車選びの時は、走行距離より整備履歴を重要視しています。

そうなんだね・・・
僕がこの車を選んだのも、決め手は整備履歴です。記録簿がしっかり残っていて、定期点検がきちんとされていて、過去のオーナーがちゃんと面倒を見ていたという証拠。
どうやら、僕は4人目のオーナーらしいです。ちょっとしたリレーのバトンみたいで、悪くありません。
さらに、販売店の喫煙所(と呼ばれる灰皿が置いてある一角)で、整備工場の先代と話が盛り上がり、エンジンオイル、ブレーキフルード、ミッション・デフオイル、タイミングベルト、タイヤまで交換してもらえることになりました。社長は少し渋い顔をしていたけど、先代の一声と、全塗装をお願いすることで決着しました。

ラッキーだった
ちなみに、販売価格は80万円、諸経費と諸々の整備費を含めて120万円……かなり、お得に購入することができました。
納車の日。40代なのに、遠足前だった

ここだけの話ですが、納車前日は、正直よく眠れませんでした。いい歳して、子どもみたいだと思う……。

カッコ悪い・・・
当日、キーを受け取って運転席に座ると、懐かしい匂いと、少し頼りないエンジン音。そして久しぶりのマニュアル……。お店で先代に見送られながら、少しだけ……ほんの少しだけ、吹かし過ぎてしまいました。

エンストはしなかった・・・
そして、緊張しながら、いつもより安全運転で自宅への道を流します。
で、違和感というか……なんというか、思ったよりパワーがない……僕は過去に乗っていたので、このNAロードスターの走りは知っているはずでした。ですが、あの頃より遅く感じる。と言うか、懐古的に過去の思い出が美化されていたのか……やっちまったかも知れない。
正直に言うと、このとき一瞬「やっちゃったかもしれない」と本気で思いました。
思ったより、遅い。全然、静かじゃないし、快適ではない。よくよく考えてみれば、当時はマフラーも社外品だったし、静かではなかったし、快適ではなかった。でも、なんというか、もっとスポーツカーだったような……。

それは・・・
でも、少し走ると、なんとなくあの頃の……ロードスターの感覚を思い出してくるんです。ハンドルの軽さ、クルマの動き、路面の感触。今の車とは違い、全然快適でないことが楽しくなってしまいました。

楽しかった
気づけば、意味もなく遠回りしていました。
一瞬、頭をよぎった「やっちまった感」は、現代の快適なクルマと古いクルマの違いで、車の在り方というか、価値観というか……僕が求めていたのは、こういうクルマだったと思い出しました。
いまの静かで速いクルマに慣れていると、この遅さや粗さはギャップになってしまいます。
オープンにした瞬間、全部どうでもよくなった
タバコ休憩に寄ったコンビニで、ホロを開け、オープンにする。風が入る。
それだけで、景色と不安がなくなりました。さっき、ちょっと頭をよぎった「新しいクルマのほうが良かったかも」……という考えは、どこかに消え、NAロードスターを「買ってよかった」と正直に思えました。
なんというか、理屈じゃないんです。ただ、気分よく走れるクルマ。
でも、現実はちゃんとついてくる
夢みたいな話ばかりじゃありません。やっぱり古いクルマなので、維持費もかかるし、壊れることもあります。
参考までに、実際の維持費はこんな感じ……
さらに古い車だから、修理も発生します。それなりに覚悟が必要です。
40代で趣味車を持つということ

正直、合理的ではありません。もっと便利で、快適で、正しい選択はいくらでもあります。
でも、仕事に追われて、家族を優先して、気づけば自分を犠牲にして生きるようになって僕にとって、この車は、少しだけバランスを取り戻してくれる。遠回りする理由をくれる。何でもない日を、少しだけ特別にしてくれる……そんなクルマは少ないと思う。
最後に
ロードスターは、必要だから買う車ではありません。
でも、「いつか」と思っているうちに、どんどんと時間は過ぎていってしまいます。だから、僕は、40代で、家族に白い目を向けられながらも、ロードスターに乗るのです。
あの日、少しだけ怖くて、でも少しだけ嬉しかった選択は――いまのところ、間違っていなかったと思っています。



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