「左利きは天才だ」というのは偏見で大きなプレッシャー。左利きの憂鬱

いつの時代も左利きは、マイノリティで多数派になることはありません。

左利きとしてこの世に生を受け、物心がついたときから、今まで右手を信用したことがなく、何をするにも左手をメインに使っている僕からすると、右利きの人が思っているより、世間は左利きに厳しくて、左利きというだけでハードルをあげてくる。

左利きと知ると多くの人は芸術家とか、天才だとか自分とは違う左利きに大きな期待と大変迷惑な勘違いをするのです。

何気ない些細な勘違いだと思うかもしれないが、左利きである人間ののハードルをあげ、多大なプレッシャーをかけているのです。

少なくとも僕は皆様の期待には答えられません。

はっきり言って普通です。

普通以下です。

天才とか芸術家なんて言われると最初は嬉しいんだけど、頭が悪かったり、自慢できる能力がないと期待を裏切り、申し訳なくなってしまいます。

好きで左利きになったわけじゃないし、決して左利きだから天才ってわけではありません。左利きの僕を大きな愛で包んでください。

左利きの割合は約10分の1

全人口の10％は左利きだそうで、多少の誤差はあるけど人種や国籍に関係なく、世界中に左利きがいるそうです。割合で言うと10人中ひとりが左利きになります。小中学校で1クラス40人とするとクラスに3,4人の割合で左利きがいることになります。

僕は左利きだから、右利きの人より『高性能の左利きセンサー』を持っていて街中で左利きの人を見つけるのが得意な方なんだけど、そんなに高い割合で左利きには遭遇しないと感じます。

もしかしたら、左利きは10%の割合で生まれているのに、裏の組織だったり、国際的な機密機関が動いていて調整をされているのかも･･･。

20XX年、人類は左利きを恐れた。

「自由奔放に生きる左利きは、協調性で成り立つ現代社会にとって異分子である」

とアメリカの学会でセンセーショナルな学説が発表された。

その後、AIによるシミュレーションにより、左利きが一定数を超えると人類にとって脅威になることが判明した。

そこで世界政府は、大規模な左利き狩りを実施した。

左利きは世界政府の目を逃れるために地下へと潜り、左利きの人権と自由を取り戻すために戦うことを決めた。

妄想です

みたいな。

おそらく、この世には多くの隠れ左利きが存在していて、僕みたいな生粋の左利きじゃなくて、本当は左利きだったのに左利きの心を失ってしまった人たちがたくさん存在するのかも知れない。

左利きって生きづらいから、右手を使ったり、無理矢理左利きに矯正されたりしているんだ。

ちなみに「ゆるキャン△」のりんちゃん役の福原遥は左利きだと思います。

確認はしていないけどAmazonプライム・ビデオで「ゆるキャン△」を観ていて、りんちゃんがスマホで写真を撮るシーンで違和感を覚えたので左利きだと思う。

矯正された右利きか、役作りのために右手を使っていたのかはわからないけど、生粋な右利きではなく、元は左利きなんじゃないかな。

ぶっちゃけ、矯正されたり、直した人は一定数いる。左利きの人は一度は右利きへの矯正を試みられた経験がある。

まあ、僕には通用しなかったけどね。

左利きは全員が天才であるはずがない

多くの人は左利きを見つけると「天才だ」とか「芸術家」だと勘違いをします。

別に左利きだからって美的センスが高い訳でもないし、頭が良いわけでもありません。中には天才もいますが、左利きだから天才だと思われるのは、天才ではない凡人の僕にはプレッシャーでしかありません。

僕は左利きだけど普通なんです。いや、普通以下かもしれない。左利きというだけで「頭良さそう」なんて思われると困ります。

スポーツもそうで、左利きってだけで周りの人たちの目が輝き、ハードルが上がるのです。

僕は小学校、中学校でサッカーをやっていたんだけど、ギリ試合に出れるレベルであって決して自慢できるほどうまくはありません。で、フットサルをやる機会が結構あって、試合前にアップをしていると左利きの経験者って言うだけで「すげ〜うまい奴」なんだろうと見てくるのです。

ここだけの話、そんなときは心臓はバクバクで「ミスしたらどうしよう」なんて思いながら必死に頑張る訳ですよ。

多くの人の期待に応えるため、本当は、別に期待に応える必要はないんだけど、引き下がれない雰囲気になってしまうんです。

応援に来た女子とかも「左利きなんだって（だから上手いよ）」なんて勝手に脳内変換をする訳です。左利きというだけで、中村俊輔とか、メッシとかと同等の期待をかけられるのです。

共通点は性別と左利きという2点だけです。

そんなに上手いわけありませんから。

そんなに上手かったら、Jリーガどころか海外リーグで大活躍していますから。

バロンドールとか取っちゃって、契約金も数十億円もらっていますから。

左利きだからとハードルを上げないで欲しい。

右利き有利の社会だから左利きは生きづらい

左利きはカッコいいとか、憧れるなんて言ってくれるのは嬉しいのですが、そんな人たちに知って欲しいことがあります。

この世は右利き用にできていて、右利きがラクできるように発展しているのです。

ユニバーサルデザインとか『子供からお年寄りまで誰にでも使いやすいように』って言っていますが、その対象に左利きは入っていません。世間に便利になればなるほど、左利きには不便になっている。

そもそも、左利きって言うだけでハードモードなんです。

よく言われるハサミとか自動改札とかは代表的で、左利きのことは考えていません。他にも自動販売機は絶対に右側にお金を入れるところがあるんです。左手で小銭を入れるのは思ったより大変です。

カメラも右利き用に設計されていて、右手でレリーズ（シャッターを押す）仕様になっています。信用のない右手を使わないと写真すら撮れないのです。

左利きだとツラい。

みんなでご飯を食べに行くときも右利きの人と肘が当たらないように指定席になるし、オフィスの机の引き出しも右側にあるし、ペットボトルだって水道の蛇口だって右利きが回しやすいようになっています。

右利きにとって便利になると左利きには不便になっていきます。子供やお年寄りには人権があるのに左利きは人権はないのが現代社会なのです。

左利きによる、左利きのための左利きの政治を行うことをここに誓います！！

左利きの憂鬱

左利きは右利きに比べ、早死にするらしいのですが、その理由は『ストレス』だそうです。右利きの世界で生きているだけ、左利きは多大なストレスに晒されています。

加えて左利きだというだけでハードルを上げてくる人たちもいるので、これからは左利きは、もっと薄命になってくるでしょう。

会社であれば労災レベルで、補償金問題が起きる案件です。国、世界として左利きを保護するプログラムを発動するべきなのではないでしょうか。

SDGsに追加してもらえないでしょうか。貧困、ジェンダーレスだけでなく、左利きにも人権を与えて頂きたい。

なんだかんだと言っていますが、僕は左利きに誇りを持って生きている。そんな健気な僕を大きな愛で包んで欲しい。

左利きの自己肯定感を高める本

もしあなたが左利きで、右利きの世の中で生きにくいと思ったり、左利きは右利きより劣っていると思っている場合、もしくは左利きって最高！って思っているけど左利きの優位点が説明できない場合は以下の本を手に取ってみてください。

2021年2月現在、2021年に読んだ本の中で一番ためになった1冊です。左利きによる左利きのための左利きの本。左利きの素晴らしさが改めて分かる本です。ぜひ読んで見てください。