NAロードスター乗りのひらめ(@hirame18jp)です。
特に古いクルマが好きという訳ではないし、マニアという訳でもないんだけど『NAロードスター』という古いクルマを購入しちゃいました。
NAロードスターは『2人乗り小型オープンスポーツカー』生産累計世界一のギネス世界記録を樹立した歴代ロードスターの中でも異彩を放っている名車です。
2022年現在、4代目のNDロードスターが新車販売されていますが、1989年に発売開始された初代のユーノス・ロードスターは今でも人気があって、程度の良いクルマは新車価格を超えた値段で取引されています。
新車より中古車が高いの?
徐々に値上がりしているんだ
現代のクルマと違い、非力で決して速くないエンジン、エアバッグすらない安全性能、ちょっとした段差でよじれる剛性の低さなどクルマとしての欠点も多いのですが、取り回しやすいサイズ、思いのままに曲がるステアリングの反応性など、運転の楽しさを再確認させてくれる最高のクルマです。
最新のNDロードスターのグラマラスで妖艶なスタイルとは違い、リトラクタブルヘッドライトを開いたときの可愛さ、円と直線でデザインされ、日本的で絶妙なバランスと儚さを感じるスタイルはある一部の人間の心を掴んで離しません。
NAロードスターのデザイン
僕は、歴史的な一台を保存して次の世代につなぐなんて、崇高な意識の持ち主ではなく、ただただ今を楽しみたいと思い、NAロードスターを購入しました。
NAロードスターが発売開始された1989年は茨城の田舎で中坊として生活をしており、NAロードスターを知ったのは1994年に浪人の末、入学した大学時代。
バブルが弾け、現在まで続くどん底の不景気の足音が聞こえ始めてはいたけど、当時は、まだまだ、クルマは男のステータスであり、より速く、より豪華なクルマがもてはやされ、女子のお尻を追いかけ回していた僕は、NAロードスターには目もくれず「見た目だけのなんちゃってスポーツカー」なんてレッテルを貼り、若干バカにしていました。
ひどい言いよう・・・
当時は速い車が正義だったんだよ
毎晩、一人暮らしのアパートで熱戦を繰り返したゲーム『グラン・ツーリスモ』でも、NAロードスターは相手が初心者の場合にハンデとして使うくらいのモブキャラ扱い。
そんなNAロードスターですが、社会人になり僕の愛車になりました。約6年間、あちこちに連れて行ってくれたロードスターでしたが、長男の出産を機会にお別れをしました。
そして、2021年のゴールデンウィーク前に新しい相棒としてNAロードスタを購入しました。
令和の現代に改めて見ると、今では作れないリトラクタブルヘッドライト、まるで慎ましい日本女性のような佇まい、チープの中にある侘び寂びの世界観など、勢いとエッチな欲望だけで生きている若者には分からない美しさがあるのです。
30年のときを経て、手に入れた僕は、NAロードスターのデザインの良さを再認識しました。
ロードスターといえば『リトラクタブルライト』
NAロードスターの特徴といえばオープンカー、そしてリトラクタブルヘッドライトです。NAロードスターは、普段はヘッドライトを格納していて、ライト点灯時に目が開くようにヘッドライトが現れます。
目が開くと可愛いよね!
リトラのクルマを発売して欲しい
発売当時は、スポーツカーで多く採用されていたリトラクタブルヘッドライトですが、安全面や生産コストから現在のクルマでリトラクタブルヘッドライトを搭載したクルマはありません。
このリトラクタブルヘッドライトの開閉が行えるからロードスターは全然別のイメージを持ちます。
僕が比較的安く手に入る2代目のNBロードスター、快適な最新のNDロードスターではなく、NAロードスターを選んだ理由は『リトラ』といっても過言ではありません。
このリトラクタブルヘッドライト、そしてオープンカーという特徴が、ロードスターのアイコンで、唯一無二のデザインたる所以なのです。
可愛いスポーツカー
スポーツカーなのに可愛いというのが、NAロードスターの最大の欠点であり、反対に世界中で愛されている要因です。
同じマツダから発売され、同じリトラクタブルヘッドライトを採用しているRX-7はFC、FDともにリトラクタブルヘッドライトを開いても可愛くはならず、より精悍な顔つきになります。
本当に可愛いクルマ♡
小さくて可愛い・・・
もちろん、可愛いクルマは世界中のメーカーから色々な車種が発売されていますが、NAロードスターの可愛さは別格です。見ているだけでニヤニヤしてしまうクルマなんて他にはありません。
ちなみに、NAロードスターは決して速くはありません。
一般的なスポーツカーとしての判断基準からすると速くもないし、見た目もファニーなクルマがライトウェイトスポーツカー、オープンスポーツカーなんて呼ばれているのに違和感を覚えてしまいます。
ですが、NAロードスターは、恐ろしく可愛く、屋根を開けて街を走れば、小さな子供は羨望の眼差しで見てくれるし、NAロードスターを知っている年代の方は笑顔で手を振ってくれるのです。誰もを笑顔にするNAロードスターはスポーツカーの中で異彩を放ちます。
随所に日本文化のこだわりが滲み出ている
NAロードスターに僕が感じる慎ましい日本女性的なイメージは、あながち間違っていません。というのもロードスターはデザインの段階から「日本車としての在り方」を日本文化に見出し、それを積極的にデザインに取り込んでいたのです。
例えば、NAロードスターのデザインソースは、能面からインスピレーションを受けていて、グラマラスではないけど滑らかな色気のあるラインを再現しています。
NDロードスターは、現代の日本女子のようなグラマラスな女子のイメージですが、naロードスターは慎ましい古来の日本女性の優しく慎ましいエロを感じます。
言い方に気をつけろ!!
美しい♪
また、テールランプは、江戸時代の両替商が使った分銅の形からデザインしたリヤコンビネーションランプで、ニューヨーク近代美術館 (MoMA) に展示・永久収蔵されたほど評価が高いし、ドアハンドルなどに和物のテイストのデザインを多く取り入れているので、日本人はある意味、懐かしさを感じるのではないでしょうか。
NAロードスターはみんなを幸せにしてくれる
クルマは最新のクルマが最高のクルマだというのは否定しません。新しいクルマは快適だし、安全だし、環境にも優しい。さらに大きなトラブルもなく、メンテナンス費がかからないのでお財布にも優しいのは理解しています。
だけど、NAロードスターは、諸々のデメリット、リスクを受け入れても有り余るデザインがあるのです。
スポーツカーはどうしても速いとイメージを持たれ、気合を入れて運転をしなければなりませんが、NAロードスターは肩肘を張らないでのんびりと走れます。
販売されてから30年経過しているロードスターは現在でも日本で2万台以上登録され、走っているそうです。
多くのクルマが新車登録から平均で12.3年で廃車されるのに、naロードスターがこれだけ現役で走っているのは、多くの人に愛されているからです。
NAロードスターが愛されるのは、所有する喜びがあるデザインだからではないでしょうか。
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