旧車の維持は大変?30年以上前のNAロードスターオーナーが語る現実

旧車の維持は体験なのか? クルマの話

1991年式の『ユーノスロードスター』製造から30年以上が経つこのクルマに、僕は5年以上乗り続けている。

一度手放し、何台か乗り換えながらも「またロードスターに乗りたい」という気持ちが消えなかった。そして、ついに再び手に入れた。

でも正直に言う。旧車ライフは、想像のはるかに上をいく世界だった。

まず結論から言う

旧車は、維持できる。ただし、覚悟は要る。

  • 壊れることを前提に考える
  • 維持費をあらかじめ確保しておく
  • 部品探しを”作業”ではなく”楽しみ”にする
  • 信頼できる整備工場を見つける
  • 日常点検を習慣にする

この5つの現実を受け入れられるなら、旧車はこれ以上ない趣味になる。

大変そうだけど、なんか楽しそう」——そう思ってもらえると嬉しい。

※ 正直、NAロードスターは旧車と呼ぶには早いかも知れない。本当の旧車好きからすると、新しい車だと認識されると思う。でも、この記事ではNAロードスターに5年乗り、すいも甘いも感じたことを素直に書いておく。

1. 壊れることを前提にする心構え

旧車を愛する人たちが口を揃えて言うことがある。「旧車は壊れるのが当たり前」だと。

僕のNAロードスターも例外ではない。ある夏の日、パワーウィンドウが突然動かなくなり、そのまま静かに息を引き取った。そして生命線だったエアコンも、ある日を境に沈黙したまま二度と帰ってこなかった。

「元々、不便なのに、さらに不便になった」と思った。でも不思議なことに、腹は立たなかった。心の中でこうつぶやいていた。

「あぁ、これもまた、この娘の個性なんだな」

完璧じゃないから、愛おしい。旧車とはそういうものだと、今は思っている。

旧車乗りは日常点検が「習慣」になる

壊れることを前提にするなら、せめて「予兆」を見逃さないようにしたい。僕が毎回乗る前に確認しているのは、この4つだ。

  • 水温計の動き
    上がりすぎていないか。オーバーヒートの予兆は水温計に出る
  • オイル量
    少なければ即補充。旧車はオイル消費が早い車種も多い
  • 冷却水の量
    リザーバータンクを目視確認するだけでいい
  • 異音
    走り出したときにいつもと違う音がしないか、耳を澄ます

これを面倒と思うか、付き合いの一部と思うか。たぶんそこが、旧車オーナーになれるかどうかの分かれ目だと思う。

※ 実際にNAロードスターがオーバーヒート寸前になった話は「NAロードスターがオーバーヒート|水温計H・白煙・21万kmでもエンジンは助かった」にまとめている。

2. 部品探しは宝探し

旧車を維持していくうえで、避けて通れないのが部品の調達

NAロードスターはマツダが長年サポートを続けてくれているおかげで、純正品が今も手に入る。これは旧車としては、かなり恵まれた環境だと思う。

ただし、すべての旧車がそうではない。車種によっては純正部品がすでに廃番になっており、社外品や中古品を探し続けるしかないケースも多い。生産終了から年数が経つほど、難易度は上がっていく。

NAロードスターでも、マイナーな部品はオークションサイトや旧車専門のパーツショップをこまめにチェックする必要がある。

まるで失われた財宝を探す冒険家のように、毎日画面を眺める日々。そして数週間後、ようやく見つけたときの「あった!これだ!」という感覚は、新品を通販で買うのとは全然違う。

手に入れたのは、ただのパーツじゃない。探して、待って、やっと手に入れた——それが、愛車との関係を深くしていく。

※ NAロードスターがなぜ今も人気なのかを「NAロードスターはなぜ人気?遅いのに30年以上愛される理由」で書いている。

3. 旧車の維持費、実際どれくらいかかるのか

旧車って維持費、どれくらいかかるの?」——これが一番多い質問かもしれない。正直に言う。その年によって、かなり変わる。

ただ、おおまかな目安として、僕の場合はこういう内訳になっている。

項目目安
自動車税約45,400円
任意保険8万円/年
車検(2年ごと)約20万円
消耗品(オイル・タイヤ・ブレーキパッドなど)約2〜4万円/年
突発修理0円〜青天井

問題は最後の「突発修理」だ。何もない年は拍子抜けするほど安く済む。でも重なる年は、車検と修理が同じタイミングで来て、一気に30万円を超えることもある。

「趣味にかけるお金」として割り切れるかどうか——ゴルフの会員権を買う人、高価な釣り道具を揃える人と、たぶん同じ感覚だと思う。僕はこれを「愛を注いでいる」と表現している。

4. 信頼できる整備工場を見つける

旧車を維持するうえで、これが一番大事かもしれない。

旧車は構造が古く、診断機器が使えない車種も多い。ディーラーに持ち込んでも「うちでは対応できません」と断られるケースがある。NAロードスターはまだマツダが対応してくれるが、それでも専門的な知識がある整備士のほうが圧倒的に頼りになる。

僕が今お願いしている整備工場は、旧車やスポーツカーを専門に扱っているところだ。予約を取るのが少し大変だけど、「この人に任せれば大丈夫」という安心感は、お金には代えられない。

かかりつけ医のような整備工場を持つこと——旧車オーナーになるなら、これを早めに見つけておくことを強くすすめる。

探すときのポイントは「旧車歓迎」「輸入車・スポーツカー対応」などの言葉が入っているかどうか。その車のオーナーズクラブやSNSで評判を聞くのも、有効な方法だ。

5. DIYで相棒感が増す

自分で部品を取り付けると、ただの「モノ」が「相棒」になる感覚がある

もちろん、電気系や足回りは専門家に任せるべきだ。でも、内装の小物を交換したり、ワイパーゴムを替えたり、洗車のついでに隅々まで触れてみたり——そういう小さな積み重ねが、クルマへの愛着を育てていく。

6. 仲間とのつながりが最大のご褒美

旧車に乗っていると、自然と同じ趣味を持つ人たちと繋がれる。ミーティングで声をかけてもらったり、パーツの情報を教えてもらったり。

旧車は乗り物であると同時に、人と人をつなぐ「きっかけ」にもなる。それが、この趣味の一番の副産物かもしれない。

※ 40代・50代の趣味については「趣味は現実逃避でいい|40代・50代に趣味が必要な理由」で書いている。

旧車は初心者でも維持できる?

結論から言えば維持できる。

ただし、故障をゼロにしたい人や、車を移動手段としてしか考えていない人には向かない。

一方で、機械が好きだったり、車との時間そのものを楽しめる人なら、旧車は最高の趣味になる。

実際、僕も最初から整備に詳しかったわけではない。オイル交換すら店任せだったし、工具の名前もよく知らなかった。

それでも少しずつ覚えながら、NAロードスターと付き合ってきた。

旧車は知識よりも「好き」という気持ちの方が大切なのかもしれない。

よくある質問(FAQ)

Q
旧車の維持費は年間どれくらいかかりますか?
A

車種や状態によって大きく変わりますが、僕のNAロードスターの場合は、自動車税・保険・車検・消耗品を含めて年間15〜25万円程度です。
ただし、旧車は突発的な故障が発生することがあります。修理内容によっては数万円から数十万円かかることもあるため、余裕を持った予算を考えておくと安心です。

Q
旧車は毎日の通勤にも使えますか?
A

使えます。ただし、新車と同じ感覚では難しいかもしれません。

僕も一時期、NAロードスターで通勤をしていました。でもm突然の故障リスクは常にあります。毎日乗るなら、日頃の点検と定期的なメンテナンスが欠かせません。
通勤で絶対に遅刻できない人は、セカンドカーや代替手段を用意しておくと安心です。

Q
NAロードスターは壊れやすいですか?
A

30年以上前の車なので、当然ながら故障のリスクはあります。
ただし、NAロードスターは部品供給が比較的充実しており、整備ノウハウも豊富です。旧車の中では維持しやすい部類だと思います。
実際に僕も5年間で、パワーウィンドウやエアコン、ラジエーターのトラブルを経験しました。

Q
旧車初心者でも維持できますか?
A

維持できます。ただし、「壊れない車が欲しい人」には向きません。

一方で、クルマを単なる移動手段ではなく、趣味や相棒として楽しめる人には向いています。僕自身も専門知識が豊富だったわけではありませんが、少しずつ覚えながら維持してきました。

Q
旧車を買う前に確認しておくべきことは?
A

まずは部品供給の状況を調べることだと思います。
どれだけ好きな車でも、部品が手に入らなければ維持は難しくなります。また、近くに旧車に詳しい整備工場があるかどうかも重要です。
車両価格だけでなく、購入後の維持費や修理費も含めて考えることをおすすめします。

まとめ:旧車は壊れるけど、それも愛しい

旧車の維持は、確かに大変だ。でも「大変」という言葉だけでは、この世界のおもしろさの半分も伝えられない。

  • 壊れることを前提に、心と財布を準備する
  • 部品探しを楽しめる人間になる
  • 維持費は年間トータルで考えておく
  • 信頼できる整備工場を早めに見つける
  • 日常点検を習慣にする

これだけのことを受け入れられれば、旧車は最高の趣味になる。30年以上前のクルマが、今日も道を走っている。それだけで、少し特別な気持ちになれる。

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